普通だからこそ — 美容師 KiRiKo ④

TUMUGU代官山 (本店) が、ホットペッパービューティ (HPB) アワード 3年連続受賞の栄誉にあずかりました。

2022年:SILVER Prize 受賞
2023年:GOLD Prize 受賞
2024年:GOLD Prize 受賞
(BEST SALON 部門、関東エリア、2席以下サロンの部)

★ HPBアカデミー様「 受賞サロンのカギ 」記事インタビュー (2023年3月29日)
★ HPBアカデミー様「 HOT PEPPER Beauty効果UPテク! 」WEBセミナー講師 (2023年9月25日)

「東京に出てきて、というか社会人として初めての仕事だったし、そういうもんなんだと思ってましたよ。なんせ他を知らなかったので」

そう言ってKiRiKoはあっけらかんとしている。いやいや、そんなレベルのキツさじゃなかったのでは…。

「…そこまで厳しい仕事場に、躍起になって留まる理由が何かあったんでしょうか?」

聞くと、KiRiKoは自身の人生を変えた出来事について、唐突に、取り立てて感情を込めることなく淡々と、告白してくれた。

「実は、高2にあがる手前くらいのときに、中学校時代からの親友に先立たれたんです」

言葉に詰まってしまった。本当は心の奥にしまっておきたいはずの大切な過去。KiRiKoはいつもの快活なトーンで続けた。

「中学のクラスでいじめのようなことをされたときに、その子が声を掛けてきて私のこと救ってくれたんですよ」

勉強に興味が持てず、進路に悩んでいたときもそばで応援してくれた。テニスでつらかった高校入学直後も、彼女のおかげで歯を食いしばって頑張れた。

いつも支えてもらっていた。

不意の出来事。病に伏して入院していた友達だったが、半年ほど経った頃、そのまま原因不明の病死を遂げてしまった。

「この子の分まで私が生きる」

なんでもやろう。どんな経験も、2人分やるつもりで。人の倍やって、乗り越えて、2人分の人生を生きる。


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高3の頃にソフトテニスでAチームに登り詰めたのも、母の反対を押して福岡の専門学校に出たのも、生徒会も海外研修も。ひときわ厳しいヘアサロンへの入社を決めたのも。

原動力は、この約束だった。

あのとき、心に誓った。その使命感のようなものが、ヘアサロンでの地獄の下積み時代にも、KiRiKoをギリギリのところで引き留めていた。

「険しい道を行くんだろ、KiRiKo」



努力は実った。3年間のアシスタント時代を経て、KiRiKoは4年目でスタイリストデビューを叶える。

合否の判定には厳しい基準が設けられていて、技術面のほか接客・勤務態度なども加味され、総合的に評価された。7~8年経ってもデビューできないアシスタントが多いなかでの快挙だった。

もはやKiRiKo入社時の顔ぶれは、ほとんど残っていなかった。文字通り、サバイバルの環境。知らず知らずのうちに、どこでも生きていける自信が付いていた。

「普通」の自分でも、ここまで来られた。いや、「普通」だからこそ、自分を駆り立てて、ひとつひとつ磨いてこられたんだと気付いた。

素朴で純粋な粘り強さに加え、人に喜ばれることが好き。そのためなら陰日向なく働ける。テニス部時代に「気が利く」と評されたKiRiKoのそんな人間力が、やがてサロンでも発揮され始めた。

周りへの気配りや働きぶりを見ていたMaruの推薦で、なんとサロングループ総代表のチームに入ることとなる。

総代表の家までお迎えにあがり、荷物持ちをして、お付きの弟子のような日々を過ごしながら、少しずつ着実に、実力を付けていったのだった。

「普通であることが、かえって自分の武器なんだ」



才能が無い、スキルが無い、実績が無い。文句を言うだけなら誰でもできる。

何もしなければ、何もない。

無いもの尽くしの普通の自分を素直に受け入れて、片っ端からトライすること。普通だからこそ、与えられた境遇に正面から真剣に向き合い、ぶち当たって、がむしゃらでも乗り越えていく。

そのプロセスこそが、次の一歩を作っていく。KiRiKoの話を聞いて、本当に大きな勇気をもらった。


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そうして約8年の月日が流れ、KiRiKoは結婚・出産を機に退職。

初めての社会経験だった美容業をようやく離れ、こんどは子育てに四苦八苦しながらも、さまざまなバイトをして家計を回した。

「休日って、2日連続で取ってイイもんなのか…」

思えば、大手サロン時代は仕事一色だったため、外界との接触がほとんど無く、世間一般とだいぶ感覚がズレていたのだった。



肌に合ったヤクルトレディのパートを1~2年ほど続けた、2016年の頃。

壮絶なヘアサロン時代から一転、いたって平穏な日々ではあったが、スッポリと何かが抜けてしまったような物足りなさ。

どうしたものかと思っていたところ、同僚レディがKiRiKoのことを「元美容師さんだもんねー」と表現した言葉に、明らかに自分の気持ちがざわついたのが分かった。

「やっぱり、美容師に戻りたい」

すっかりブランクが空いていたし、勘を取り戻すにも時間が掛かるかもしれない。今から復帰したところで、美容師として一生食っていけるものだろうか。

少しでも他の美容師との差をつけるために、何かもうひとつ武器が要るんじゃないか。そう考え、いろいろと検討した末に行き着いたのが、まつエク技術。

「よし。ヘアとまつエクが両方やれるところで再開だ」

美容技術+まつエク技術の2本立てで身を立てていく。そのために、KiRiKoは平和島にある小さな面貸しサロンに目を付けた。

客としてそのサロンへ出向き、「土日だけここを使わせてください」とオーナーへ直談判した。平日はすべて、ヤクルトレディをフルタイムで入れていたからだった(もはやパートタイムじゃない)。

こうして、託児所の利用できない土日に、子どもを抱っこひもで背負って、ママさんスタイリスト兼アイリストとして、美容業に復帰。なんちゅうパワフルさ。

働けるうちに働こうというのも分かるが、乳幼児を見ながらの週休0日ダブルワークは、身体的に相当キツいはずだ。

元来から予定を詰め込んでおきたいタイプだったKiRiKoは、一児の母となってもなお、休日のある生活を手放し、仕事に明け暮れるのだった。


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そんな生活を3年ほど続け、ときは2019年。ディーラーさんが持参したまつエク関連商材の資料のなかに、あるチラシが入っていたのがKiRiKoの目についた。

「高齢社会のヘアサロンの新メニューに、ボリュームアップエクステの導入を」


「物語を紡ぐ」カテゴリーでは、マネージャーのJUNが「大人女性向け完全個室ヘアサロン」TUMUGUのことをつづります。今のTUMUGUになるまで、5年間のエクステ開発、それぞれのメンバーの生い立ちや出店秘話、これからに向けての展望などなど。気楽に読んでもらえたらうれしいです。

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